寒冷地における木造建築
記事を通して見た、最近の北海道木造住宅の動向
日経BP社日経ホームビルダー編集長 村田真氏

全国から見る北海道木造住宅の現在
2001年から2004年の新設住宅着工戸数の統計データでは全国的に木造住宅の着工数が減少傾向にあります。特に、全国平均は3%の落ち込みなのに対して、北海道では16%も落ちています。一方、木造戸建て住宅における2×4工法の割合は全国で4〜5%なのに対して、北海道では10%と非常に大きな割合を占めています。またスペックが本州以南と大きく異なるため単純には比較できませんが、我々の調査では主な建材価格と労賃については、全国的に見ても低価格に抑えられていることがわかります。

確かな技術力に支えられた北海道の木造住宅
北海道は寒冷地ということもあり、気密防湿シート施工や充填断熱における壁内通気工法が普及し、繊維系断熱材による外張断熱工法、プラ系断熱材による基礎の断熱といった「高気密・高断熱」に関する技術と「オール電化」が全国に先行して導入されています。また、在来工法とパネル工法を組み合わせた独自の工法も普及しています。北海道の住宅は性能が高いのに工賃が安い、性能面で見れば非常に優秀な住宅と言えるでしょう。

北海道の住宅にも関係する最近の話題
かつてヤマトシロアリは寒い北海道には生息していないと思われていましたが、最近になって、北海道の西半分には生息していることが分かりました。(北海道新聞 平成16.7.17掲載)東半分ではまだ確認されていませんが、今後生息範囲が広がることも考えられるので、床下のシロアリ・腐朽対策が今後は欠かせなくなりそうです。また断熱工法について、外張りと内張り、どちらが良いのかという論争がありましたが、最近のトステム建材産業振興財団の断熱工法研究会による比較実験では「熱性能に優劣無し」という結論が出されています。断熱の「内・外」論争と言うとこれまでは壁の断熱工法が取り沙汰されていましたが、これからは床下や基礎の断熱が問題になってくるでしょう。

日頃から安全性についての情報収集が大切
近年、建材の信頼性が疑われる事件が多発しています。例えば、CPマーク付きの防犯フィルムに欠陥品があったり、石膏ボードビス留め工法の壁倍率について認定書が偽造されたり、JAS規格の集成材で剥離が起きたり。JAS規格だから、CPマークだから、というだけでは安心して使うことができない時代です。
住宅供給者は、できるだけ広く情報を集めて比較検討し、信頼できる製品を使っていくという姿勢が大切です。床下、基礎、地盤、この3つをいかに安全に施工するか、そのためには何を使わなければいけないのか、常に最新の情報に触れるようにしたいものです。

2005.04 vol.01 寒冷地における木造建築 TOPへ