シロアリの正体を探る!
シロアリに関する、俗論や迷信に御注意!
何の根拠もないのに、もっともらしく伝わっている俗論や何となく錯覚して信じ込んでしまっている迷信など、いわゆるアテにならないことほど一人歩きしやすいもの。シロアリについても例外ではなく、その生態については俗論や迷信が多いのも事実です。
ここでは3つの例を挙げて、シロアリの真実をご紹介します。

隣家でシロアリを駆除すると、こちらに逃げてくる?
結論から言うとそんなことはありません。
たとえばヤマトシロアリの巣は規模が小さく、行動範囲は数十センチから数メートル。つまり隣に家があることすら知りません。ヤマトシロアリの行動範囲を数十メートルとする見解もありますが、これはヤマトシロアリとイエシロアリの行動の違いを無視した統計的な見解であって、事実とは一致しません。
一方、イエシロアリの場合、巣の駆除に成功すれば全滅しますし、失敗すれば薬剤がどれだけ撒かれたとしても隣から逃げることはありません。
またヤマトシロアリの場合、庭先の切り株や花壇にいる場合でもそのまま放置していても問題はなく、そこに適応しているのであって、わざわざ家に向かう必然性はありません。万が一家屋の基礎に到達しても、床下にもぐりこむきっかけはほとんどありません。ただしイエシロアリが庭にいる場合は、巣の探知や継続的な監視が必要です。

銅はシロアリを寄せ付けない?
まったくの迷信。一度、銅板のうえに敏感なシロアリを放置してみればわかります。紙の上の行動とまったく同じで、ましてや蟻道と一体となった自然界のシロアリでも言うに及びません。
それどころか銅板を巻き付けた玄関の柱がかなりの被害に遭っていて、むしろ「銅板さえなければこんな被害にならなかったのに」というケースの方が多いかも知れません。
「古代建築では柱の下部に巻かれた銅板がシロアリを寄せつけなかった」と言われていますが、これは柱が礎石の上にのせられたものであって、銅板によってシロアリの被害がないのではなく、礎石の上に乗っていることのほうが重要な意味をもっているのです。

ヒバやヒノキはシロアリに強い?
ヒバなどの一部の樹種はシロアリの被害程度が比較的低く、シロアリ対策の一手段にはなります。しかし、こうした木材のところでシロアリの蟻道が止まってしまうわけではありません。ましてや、まったく被害を受けないということもないのです。
シロアリはそれらを侵食しながら通過し、床板や畳を食べます。確かにシロアリ対策の一手段ではありますが、ヒバ材だから被害にあわないということはありません。ヒノキは腐りにはある程度有効性が認められますが、シロアリにまったく被害を受けないとは言えません。被害を受ける程度は、カラマツやスギと並んでいる樹種と言えます。