意外に無防備、床下への浸水
床下へ浸水の実情
「床下の湿潤」および「和室の畳にカビが発生」というトラブルが起きました。竣工後の時間経過からみても湿潤している期間が長すぎるため、Jotoでは現地調査を行うことに致しました。

調査状況
気候環境
調査機器
測定箇所


快晴・気温30℃ 湿度65%(1:20pm)
木部含水率計測 ─ デルタ55(木材水分計 評価認定機器)
温湿度測定器(THERMO-HYGRO)簡易デジタル表示
主として和室の畳床・床下(木部)・床の間周り

物件概要
立地状況 建物裏手におよそ10mほど離れて傾斜約30度程度の植林された陵地裾が控えている。
陵地裾との間は平坦地(以前旧家屋が建てられていた)で、地盤表面には潤乾した後が随所に見受けられた。
傾斜地の地下水の流水層の滲出水レベルが浅い。
一部塁築された石垣の中段あたりから涌水していることがうかがえる。
陵地裾に堀削されていた窪地にも溜まり水がある。
建物立地全体の常水位はかなり浅いと判断できる。
建築状況 建物建設に先立って施主自らが地盤排水と耐圧補填を考えて砕石を充填。
転圧整地された上に早強ポルトランド混和コンクリートによる厚さ30cm程度のベタ基礎打設。
ベタ基礎と立ち上がり部は鋼製型枠をパイプセパレーターによる支持で打ち継ぎ施工(板セパは見られなかった)。
木造軸組部分は平屋建て約40坪の入母屋屋根。
玄関を挟んで洋室(LDK)と和室・水周り(浴室・洗面所・トイレ)という構成。


不具合状況
和室畳床
床板は杉材の4分板。その表面の畳召し合わせ部や周辺部にカビが発生していた。
カビの種類は好気性の白カビと見られ黄変が確認された。
和室の床板表面のカビ
和室の床下の湿潤状態
床  下 土間コン部分の湿潤は和室の下に顕著に見られた。
洋室や立ち上がり基礎に挟まれた半間の床の間下は乾燥状態になっていた。
床組木部 土台の含水率は続きの間境の土台が28%〜34%とやや高い。
床の間裏の通りの土台は20%〜24%と乾燥域に達していた。
畳下の大引きは、30%がMaxでやや水分量が多い状態。しかし平均すると28%以下。
グリーン材として竣工後の経過時間や土間の湿潤状況からみてさほど心配する状況ではないと判断できる。


不具合状況の原因
土間の湿潤範囲と土台の含水率の極端な違いから判断すると、和室周りの間仕切り壁中空部への「通気抜け」による床下換気気流の阻害が結露の発生の原因と考えられる。
また、土間の湿潤が長期にわたって残されているのは、土間コンクリートの水密性から考えて最初の浸水「打ち継ぎ部分からの浸水」がそのまま残されていると判断できる。


改善対策
今回の調査物件は、床下換気の排出気流と連携する侵入気流が、和室周りの間仕切り壁中空部への「通気抜け」により連動せず換気が不正常になっていたことと、基礎の「打ち継ぎ部分からの水の浸入」によるものであったため、以下の処置を改善策としておすすめしました。
1) 畳下に防湿シートを敷き込んで床板の合わせ目からの湿気粒子の侵入を阻止する。
2) 和室の畳周囲の敷居・框・畳寄せと床板の間の隙間を遮断し、室内側に湿気の浸入を防ぐ。
3) 和室周りの間仕切り壁の下に通気止めの遮断処置を施す。
4) 外部のGLを床下の土間より下げる。