特集
木造の準耐火建築物で使える天井点検口特集


なぜ防火天井点検口が必要なのか
木造の準耐火建築物は、主に都心部狭小地の3階建て戸建住宅、新防火地域など各自治体の条例で定めるエリアの戸建住宅がありますが、非住宅においても建築コストの有利性や木造の快適性、環境面の施策も合わせて技術や構法の発達が進む要因となり、さまざまな建築物が木造で建てられるようになりました。
その多くが規模や用途などから準耐火/耐火性能を求められ、特に「木造の準耐火建築物」が増加しています。
木造の耐火建築物や準耐火建築物は、木構造部をせっこうボードで覆って燃えにくくしています。したがって、明示されていなくても準耐火構造の原理原則として、せっこうボードに穴を開けて何かを設置する場合は、設置物が燃え抜けないようにする、もしくは設置物が防耐火上の弱点にならない措置が必要となります。
木造建築物の防・耐火設計マニュアル(一般財団法人日本建築センター発刊)でも下記が明記されています。
●各主要構造部の木材を室内から見て、防火被覆材が連続するように施工すること
●火災時に想定される柱・梁・壁・床等の加熱を受ける部分が隙間なく防火被覆材で覆われていること特に非住宅物件やアパートでは天井に何十カ所と点検口を設置しますので、その部分の性能が足りなければ必然的に建物の欠点が増えます。
そのため、天井の防火被覆の連続性を途切れさせないために防火天井点検口が必要となります。

城東テクノの防火天井点検口の特長
城東テクノの防火天井点検口は45分準耐火構造・60分準耐火構造と強化天井に対応します。
木造準耐火建築物の防火性能と施工性、維持管理面で貢献します。
POINT ①防火被覆の連続性確保
防火天井点検口にすることで防火被覆の連続性を確保できます。

当社従来品(アルミ製)の防火性能は28分程度(当社試験値)なので、準耐火構造や強化天井においては防火被覆の連続性が確保できないことが考えられます。

素材をアルミから鉄に変更し、熱膨張性シートを付けることで、火災時に隙間を塞ぎ、防火性能を発揮します。これにより防火被覆の連続性を確保できます。
POINT ②施工手間を削減
準耐火建築物で天井点検口部の防火被覆を連続して納めている仕様をを調査したところ、
以下の納まりが多いことが分かりました。
当社の防火天井点検口ならボックス状の被覆や二重天井にする施工手間がないので省施工になります。


POINT ③点検後も安心
ボックス状の防火被覆の場合、点検後にせっこうボードの蓋が元の位置に戻されているか不安がありますが、本製品はボックス状の防火被覆が不要なため点検後も確実に防火被覆の連続性を確保でき、管理上の安心にも繋がります。

可動式の蓋をずらして点検しますが、点検者の方に意図が伝わりにくく、蓋が元に戻されていないことがある。

点検後も天井点検口を閉めるだけで、確実な防火性能を発揮します。
対応する告示仕様と主な建築物について
対応する告示仕様
この防火天井点検口は業界初(※2021年12月時点)の準耐火構造に対応した天井点検口となるので、試験方法や試験の実施範囲、結果に対する評価基準が決まっておらず、有識者の助言をいただきながら「基準値の設定」を進めていきました。
告示仕様は45分で2種類、60分で3種類、強化天井で1種類の仕様に対応できることを確認しております。

対応する主な対象建築物
(45分準耐火構造対応品)

・木造戸建住宅
・木造非住宅
・木造二階建共同住宅
※各種法令などに基づきご使用ください。
(60分準耐火構造・強化天井対応品)

・木造三階建共同住宅
・木造非住宅
・木造三階建学校
・強化天井採用の物件
※各種法令などに基づきご使用ください。
製品スペック
(45分準耐火構造対応品)
品番 | SPC-F4545-J45 |
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色・柄 | ホワイト |
材質 | 化粧枠:ABS 枠:SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板) 熱膨張性シート |
梱包 | 1台/ケース |
正価 | 21,600円/台 |
付属品 | 取付ビス1袋(φ3.8×38mm×8本) |

(60分準耐火構造・強化天井対応品)
品番 | SPC-F4545-J60-□□ |
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色型番 | WT/GS |
色・柄 | ホワイト・シルバーグレー |
材質 | 枠:SGCC(溶融亜鉛メッキ鋼板) 熱膨張性シート |
梱包 | 1台/ケース |
正価 | 29,800円/台 |
付属品 | 取付ビス1袋(φ3.8×38mm×8本) |

桜設計集団一級建築士事務所
代表 安井 昇 氏 監修
木造の準耐火建築物では、せっこうボードなどの防火被覆の連続性を確保することで、木造躯体が燃焼することや、隣室や隣家に延焼することを抑制しています。
実建物では、コンセントやスイッチ、照明などの設備機器や天井点検口を設けますが、その際には、防火被覆の切欠き部分が弱点とならないような工夫が必要です。
日本建築センター発刊の「木造建築物の防・耐火設計マニュアル」には、それらの工夫の一例とせっこうボード切欠き部の防火補強時に確保すべき目標性能が記載されています。
城東テクノの防火天井点検口はその性能を確保した天井点検口であり、建物の防耐火性能と維持管理を両立できる製品です。