第0話

〈 第0話 〉

料理のレシピと家づくりって、どんな関係があるのだろう?

ひだまり:早速質問なのですが、Jotoウェビナー「結露よさらば!」を振り返って見ていたら疑問に感じることがあって…。最近の住宅の断熱性能等級は5、6、7と上位等級ともいえる性能になってきていますよね。私的に断熱性能等級5、6、7と聞くと、暖かくて素晴らしいお家なのだろうなぁと思うのですが、実際そのような省エネ上位等級の家でも結露って起きているのでしょうか?

古川:弊社に寄せられる結露相談や結露調査は築年数が浅い物件で起きていて、その中には断熱性能等級5、6のものが含まれています。
実際の結露写真はこのような感じです。ただ基本となる知識を学ぶことで結露被害リスクは低減できると思いますよ。

ひだまり:うわぁ…!築浅物件や断熱等級が高い家でもこのような結露被害が起こるなんてショックです。でもそうなると、断熱強化と結露防止はどのように両立させたら良いのでしょうか?!きっと私と同じ気持ちの方もいらっしゃると思いますので、ぜひ結露しない高気密高断熱住宅についてのレクチャーをよろしくお願いいたします!

古川:よろしくお願いします。突然立ち入ったことを聞いて申し訳ないのですが、ひだまりさんはお料理されますか?

ひだまり:得意ではないですが、時々します。作るときは「失敗しない簡単レシピ!」みたいなレシピを選びます!笑

古川:実は、結露しない高気密高断熱住宅を作るための断熱計画はその「料理のレシピ」をつくることに似ているのですよ。料理のレシピには材料や分量、手順、ポイント等が書いてあって、その指示通りに作ることができれば、誰が作っても同じものが完成しますよね!家づくりも同様に図面には部材、手順、指示等があって、職人さんはそれに基づいて家を建てていきます。ただ作り手って、レシピに“難しい工程”や“理解しづらい工程”があると、なんとなくで作ってみたり、その工程を飛ばしたり、アレンジしたりし始めます。そうなるとレシピを書いた人が想像していた料理とは違うものが出来上がりますよね。

ひだまり:私もレシピに従わず途中から自己流で作ったら、全然違う料理ができた経験があります…。

古川:料理だったらまた作れば良いのですが、家となるとそうはいきませんよね。
先ほどお伝えしたように、誰が作っても、何度作っても、同じものが出来上がるように記しておくのが「レシピ(図面)」の肝なのです。もちろん、作り手も最後までレシピ通りに作ることが前提です!

ひだまり:レシピの設計者は「作り手が理解しやすく、無理のないレシピにすること」、それに対して作り手は「設計者のレシピに忠実に作ること」が大事なのですね!
ただ、誰が作っても成功するようなレシピを考えるって意外と難しそうですよね…?!誰もが失敗しないレシピづくりにはどんな要素が必要なのでしょうか…?

古川:要素としては、1)料理の基本をおさえる2)適した材料を選び、手順を決める 3)再現性を持たせる の3つの要素です。高気密高断熱住宅を作るためのレシピづくりに置き換えたら1)物質やエネルギーの基本をおさえる 2)適切な部材を選び、断熱方法を決める 3)技量によらない再現性を持たせるという感じですね。

ひだまり:う~、まだ理解が追い付かないので、これからじっくり解説をお願いします!

※こちらの内容は2025/1/6に配信したメルマガを元に作成しております。
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