シロアリの基礎知識 住まいの天敵、シロアリから住まいを守るには

木造住宅にとって懸念すべき問題のひとつがシロアリ被害です。
このページでは、シロアリの生態の解説や、シロアリ被害を防ぐためのお役立ち情報をご紹介します。

シロアリの生態とは?「階級と分業」

階級と分業

シロアリは不完全変態をする昆虫です。発育の途中から職蟻と兵蟻とが分化し、女王と王を中心に、多数の個体で集団(コロニー)を形成して生活しています。そしてシロアリの社会には次のような階級があるとされています。

生殖階級

女王と王で、産卵に専念する階級です。

職蟻階級

働き蟻の階級です。コロニー構成の90~95%を占め、餌の採取・運搬、巣の構築・修理・清掃、生産階級や幼虫・兵蟻などの世話と食物を与える役割を果たしています。

兵蟻階級

外敵からの防衛にあたる階級。一般に初期のコロニーでは兵蟻の占める割合が高いのですが、発達したコロニーでは2~3%程度になります。

幼虫(非生殖階級・生殖階級)

孵化したばかりの職蟻や兵蟻になる前の個体。

ニンフ(非生殖階級・生殖階級)

幼虫から羽蟻あるいは副女王・副王になるべく成長している個体。羽蟻になるものは職蟻の約2倍の体長で背中に小さな羽根があります。副女王・副王になるものは2頭ずつおり、女王・王が死んだりした時に、代わって生殖を行います。

群飛と営巣

ある時期にシロアリの巣から多数の成虫が飛び出し、新しい巣を作るための行動を起こします。これを群飛といいます。群飛が見られるのはある程度以上の成熟したコロニーで、群飛の時期やそれに適した温度・湿度などは、シロアリの種類によって大体決まっています。
ヤマトシロアリの群飛は、本州では4~5月、沖縄では2~3月、東北から北海道にかけては6月頃に行われます。特に雨後で快晴になったような温暖多湿の日の午前10時~12時頃に行われることが多いようです。イエシロアリは、6~7月の温暖多湿な夕刻に多くみられます。
しばらく飛んだ後、営巣場所を求めて湿った柱や切り株などに移動し、そこで小さな孔を掘り、産卵を行います。

シロアリの巣

シロアリの営巣習性は進化の程度によって異なるとされ、簡単なものから複雑に加工したものへ、また環境の影響を受けやすいものから、巣内環境を調節するような構造へと発達しています。

ヤマトシロアリ

排出物や土砂・粘土などで蟻道や加害部の仕切りを加工します。特別に加工した固定巣はつくらず、加害場所の1つが巣を兼ねています。
蟻道によって地中などを移動し、加害場所を拡げます。常に湿った木材に巣をつくる傾向があります。

イエシロアリ

蟻道はもちろん、特別に加工した固定巣も構築します。固定巣と加害場所は離れており、蟻道によって繋がっています。
イエシロアリは水を運ぶ能力があるため、湿らしながら加害することで加害は広範囲にわたることが少なくありません。蟻道も100メートルに達することがあります。また、本巣と加害場所の間に分巣をつくることもあります。
巣の形は球形で、大きなものは直径1メートルに達します。壁の間に営巣した場合には、巣は薄く広がり、4平方メートルに及ぶこともあります。

シロアリの蟻道

ヤマトシロアリやイエシロアリは、餌や水を求めて活動する場合、明るい場所や風が当たる場所を嫌うため、蟻道を構築してその中を行き来します。
また、イエシロアリの水取り蟻道は直径1~5センチメートルの円筒状で、通常本巣の底から地中へ数本のびています。また分巣や加害場所から伸びていることもあります。給水源は、地下水・溝・池・給排水管の漏水・結露・雨漏りの水などがあげられます。

床下木部に形成された蟻道

蟻道の構築場所
  1. 地中のトンネル
  2. 地上にある諸物体の表面につくる覆われた道
  3. 木材中の迷路のような道
  4. 加工能力の優れた種のつくる離れた物体間の空中
蟻道の目的
  1. 離れた加工場所へ通じる餌取り蟻道
  2. 水分を取るための水取り蟻道
  3. 餌取り蟻道の一部を延長する群飛のための蟻道