小屋裏空間で求められる住宅品質vol.7 「外気に接する床部分の換気・通気について」
2階が部屋となっていてその直下が屋外の場合、その2階の床部分は「外気に接する床」という部位に該当し、断熱材の施工及び防湿措置を行う必要があります。また、それ以外にも「床断熱材と1階天井仕上材の間に発生する空間」及び「1階壁や2階壁との取り合い部分」では設計する上で注意すべきことが3つ程あります。①外気に接する床空間の換気 ②1階壁通気層の出口の確保 ③2階壁通気層の入口の確保
①外気に接する床空間の換気
室内の湿気は、少なからず外気に接する床の床下空間へ移動してくるため、小屋裏空間と同様に何らかの湿気対策を考えなければなりません。この床下空間の湿気対策として、「軒天部位に単独で給気・排気ための換気孔を設けて換気する方法」(上図)や「壁の通気層と床下空間とを連続させて通気する方法」(下図)、また「それらを組み合わせた方法」(下写真)があります。
②1階壁通気層の出口を確保
1階壁の通気層は、外気に接する床部分とぶつかります。何も対策を施さなければ、1階壁通気層内に湿気が滞留し、不具合を生じさせるリスクが高くなります。そのため通気の出口を確保し、1階壁の通気を機能させる必要があります。手段としては、「1階壁上部に通気の出口を設ける方法」(下図左)や「通気層と外気に接する床空間を連続させる方法」(下図右)があります。
③2階壁通気層の入口を確保
2階壁がオーバーハングしている外気に接する床部分では、2階壁下に通気層の入口を確保し、かつ通気層に侵入した雨水を適切に排出できるような納めにしなければなりません。手段としては、「水切り」(下図左)や「通気部材」(下図右・写真)を壁下に取り付けます。
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株式会社NEXT STAGE
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